アッヴィの株価が25日の午前中、急落!
この買収案件について要因、買収内容等をまとめていきます。
情報ソースはアメリカの情報紙「ウォール・ストリートジャーナル」(WSJ)の2つの記事を基に作成しています。
詳細記事については記事下にURLを載せておきます。
目次
アッヴィのアラガン買収の概要
アッヴィ株価急落の原因
➡︎アッヴィがアラガンを630億ドルで買収すると発表、
これが急落の原因に繋がりました。
- アラガン株主には1株あたりアッヴィ株0.866株と現金120.3ドルが支払われる
アラガンはどんな会社か
しわとり注射剤「ボトックス」で知られる製薬会社の一つ。
もとはカリフォルニアの薬局として始まっています。
その後、目のトリートメントビジネスとしてのニッチを刻み
しわの線やしわを滑らかにするためにボットクスで成功を納め、大手製薬会社の仲間入りをしています。
アラガンの代表的な薬
胃腸疾患へ有効な薬品を開発
viberzi :下痢型過敏性腸症候群の治療薬のViberzi(一般名:エルクサドリン)
Linzess: 慢性特発性便秘ならびに便秘型過敏性腸症候群治療薬
買収の発表でなぜ急落したか
主に、
- アラガンへ予想以上に高い値段で買収したこと
- 負債額の増大が懸念
されていることが大きなネガティブ要素となり売りが発生した模様です。
具体的には
- アッヴィはアラガン株に24日終値の45%以上上回る額を支払う
- 買収によりアラガンの債務380億ドルを引き受ける
- アッヴィは20191Qにおいて、既に320億ドル近い債務が存在している
- 買収後に合計約800億ドル相当の負債を抱えることになる
アラガンも過去一年に関しては株価が半減していることもネガティブな要素の一つです。
ヒュミラの一本足打法から抜け出すABBVの苦肉の策
もともとアッヴィのネガティブな要素があり、ここ半年の株価はさえない状況でした。
アッヴィのネガティブ要素といえば、
- 2018年の328億ドルの売上のうち191億ドルがヒュミラの売り上げ
- アッヴィの売上高は役6割をヒュミラが占めている
- ヨーロッパでのバイオシミラーとの競争激化が開始
- 米国では23年からバイオシミラーの競争が開始
そんな中で、リック・ゴンザレスCEOはアラガンを買収すれば売上高のヒュミラの比率は4割弱に下がると述べています。
買収後の売上高は480億ドルとなるそう。
ホジティブなニュースとしては、
アッヴィの予想では、買収が終わってから初の1年間は調整後EPSが10%ほど増えると予想しています。
バッドニュースとしては、
- 借入金が増え減らすには時間がかかる
アッヴィの見込みによると、21年までに少なくとも150億ドルを返済していくとのことです。
その他の製薬業界の大型買収
製薬業界は18年春以降で、
- 武田薬品工業のシャイアー買収
- ブリストルマイヤーズのセルジーンの買収(740億ドル)
に続く超大型の案件が続いています。
デロイトによると、
昨年の医療品大手の研究開発投資の収益率は平均1.8%
➡︎2010年の収益率10%と比べると、業界全体の成長鈍化の兆しが見えている。
これは業界の動きが大型案件を必要としていてヘルスケアセクターに投資を行う投資家はこの動きを受け入れ、投資を行っていく必要がある、とのことでした。
特に新薬を作ることで利益を確保している企業では、新しいパイプラインを手に入れるには0から新薬を作るには10年近く必要です。
、、となると買収によりパイプラインを確保していくことで新たなるキャッシュフローを手に入れることが出来きることは確かです。
ABBVへの新規投資、追加投資について
ヒュミラ依存の脱却にアッヴィは手を焼いています。
売り上げ6割を占めるヒュミラのバイオシミラーの進撃と大型買収での多額の負債を持つことは先行きをネガティブなものにさせます。
イムブルビカの売上増大や新薬のリサンキズマブの販売開始もありましたがヒュミラの穴を埋めるほどのエンジンとなるにはまだまだ乏しいです。
しかし、買収により新しい稼ぎを得られることと事業性の多角化でヒュミラへの依存度が下がアッヴィのヒュミラ脱却は現実的になってくるのかもしれません。
先行きが不透明な中、これらのリスクを考えて投資をしていきたいですね。
現在売られまくっており配当利回りは6%越えなのでインカム狙いとしてはアツい水準です。
ただし将来減配しなければですが、、、
投資は自己責任でお願いします!
それでは!
ろいど
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